下肢静脈瘤とは
足の静脈に備わっている血液の逆流を防止している弁が適切に閉じられなくなることで、足の静脈に血液が溜まり、それによって次第に血管が拡張する(青く浮き出るなど)疾患です。原因の多くが、加齢(60~70代に多い)、長時間の立ち仕事、女性の出産・妊娠、遺伝などが考えられています。
下肢静脈瘤は4つのタイプに分けられます。足の表面の比較的大きい血管がボコボコとした瘤のようになる①伏在型静脈瘤、伏在型の静脈より枝分かれした血管で起こる②側枝静脈瘤、足の表面にできる直径1~3mm程度の③網目状静脈瘤、さらに小さな血管でおこる④クモの巣状静脈瘤です。
伏在型静脈瘤や側枝静脈瘤は、外科治療の適応となることが多く、網目状静脈瘤やクモの巣状静脈瘤は保存治療や硬化療法の適応になります。当院では、初診時に問診をとり、静脈エコー検査を行います。
検査後、病状イラスト用紙を作成して治療の内容と必要性の是非について説明します。静脈瘤のタイプ(①~④)によって治療内容が異なりますので、個々の患者様に合わせた治療内容を提示します。
治療のご希望がある患者様はもちろんですが、『静脈瘤かもしれないので診察だけ希望する』という患者様も遠慮なくご相談ください。
以下のような症状はご相談ください。(例)
- 足に血管の瘤がある
- 静脈瘤があってかゆい、痛い
- むくんでいる(むくみに左右差がある)
- だるい、重い、疲れやすい
- 足がつる(寝ているとき、もしくは明け方)
- 皮膚の色が黒ずんでいる
- 傷が治りにくい、または活動性の潰瘍がある など
検査について
下肢静脈瘤の検査は、問診・視診・触診のほか、超音波(エコー)検査で診断します。静脈弁の逆流があるかどうかを調べ、治療が必要かどうかを判断します。検査は10~15分程度かかりますが、痛みは伴いません。検査後は、病状についてイラスト用紙を使用してわかりやすく説明します。治療の必要性がなくても、ご希望に応じてエコー検査は行うことができます。お気軽にご相談ください。
治療について
検査の結果、治療が必要と判断した場合は、個々の患者様に合わせた治療方法を呈示します。下肢静脈瘤の治療には、弾性ストッキングや弾性包帯を使用する圧迫療法、静脈瘤に硬化剤を注入する硬化療法、そして外科治療(血管内焼灼術、瘤切除術、ストリッピング術)が行われます。当院の血管内焼灼術はレーザーによる日帰り手術(保険適応)を行っています。
圧迫療法(弾性ストッキング)
圧迫療法で用いる医療用弾性ストッキングは、市販のストッキングとは異なり特殊な編み方でつくられているので、足を強く圧迫することができます。これを着用することで、静脈瘤を含めた表面の静脈は圧迫され、血液が心臓に戻りやすくなります。体に合ったサイズと強さの弾性ストッキングを着用すれば、静脈瘤の進行をある程度止められます。なお、夏場は蒸し暑いので、通気性が良いものを使用されることをお勧めします。
当院では、弾性ストッキングコンダクターの資格を持つ看護師が、着用方法や日常生活での注意点などを指導いたします。
※診察は保険適応ですが、弾性ストッキングのご購入費用は保険適応外です。
硬化療法
硬化剤を静脈に注入し、弾性包帯で皮膚の上から圧迫して血管を閉塞させる治療法です。患部の静脈を閉塞させると、血液は正常な静脈を流れるようになって、症状が改善していきます。比較的細い静脈瘤(網目状静脈瘤やクモの巣状静脈瘤)に行います。
血管内焼灼術(レーザー治療)
カテーテルを血管内に通して、レーザーファイバーを挿入します。そしてレーザー光を照射することで、逆流している血管を熱によって収縮、閉塞させます。当院のレーザー治療は、波長1470nmレーザーとラディアル2リングファイバーを使用します。従来のものと比べて、痛みや出血などの合併症が少ないのが特徴です。治療時間は全体で30分ほどです。側枝の静脈瘤切除を同時に行う場合は1時間程度かかります。いずれも日帰りにて行います。
リスクや治療効果など、詳細については診察時にご説明いたします。
- 診療科目
- 内科・小児科・呼吸器科・循環器内科・
心臓血管外科 - 電話番号
- 0438-62-4800
- 予約専用
- 050-5840-2021
- 住所
- 〒299-0257 千葉県袖ケ浦市神納2-10-7
- アクセス
徒歩
袖ヶ浦駅から徒歩20分
バス
袖ヶ浦高校前停留所下車 徒歩約 1分
クルマ
駐車場完備
診療時間
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9:00~12:00 | ― | ― | |||||
14:30~17:00 | ― | ― | ― | ― |
休診:木曜・日曜・祝日